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井上道義さんの明快なショスタコーヴィッチ、そして、鬼才佐藤久成さんの癖のあるハイドン [演奏会感想]

昨晩は、群馬交響楽団の定期演奏会で、ROMUVEの第1回公開研究会のフライヤーを挟み込みました。ご覧になったみなさん、ぜひ、ご来場くださいね!

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さて、井上道義さんのショスタコービッチすごかったです。解釈は明快そのもの、事前のトークでは、ショスタコーヴィッチとハイドンとの親近性を強調していましたが、演奏の解釈もその方向でしたね。

普段は聴いているとスターリンの粛清の恐ろしさを想起するような第2楽章も、スポーツカーが駆け抜けるような爽快感。でも、あのテンポでオケは大変だったでしょうね。弦楽器の人たちは、相当に右手が疲れたろうな~。

同じく颯爽とした第4楽章も、明快そのもの。素晴らしいオーケストラの機能が発揮されました。
全体に神経質な緊張感とは無縁で、明快さと自然さが際立っていました。冒頭のファゴットソロなども、普通にはすさまじい緊張感が前面に出ますが、今回は素朴な自然さが強調されていました。

乾いた響きと機能的な音楽づくりが、井上さんがおっしゃるようにハイドンのシンフォニーを思い出すのが不思議でした。

前プロで演奏されたハイドンのヴァイオリン協奏曲は、ソロの佐藤久成さんの演奏ぶりが鬼才という評判どおりでした(笑)。クレーメルを思わせる、癖のある尖った解釈で、柔らかく精緻なバックの群響との方向性の違いが意外性を生んで、面白さを増していました。

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写真は、すごく難しいピッコロソロを吹かれた白水さんと、セカンドバイオリンの首席の秋葉さん。
いつもにも増して、分かりやすく、楽しいトークでした。
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バルビ

 うぅ~む。今回は、インフルエンザB型にやられ、楽しみにしていた井上さんの客演、佐藤さんの演奏を聴き逃すことになってしまいました。記事を読ませていただけば、盛会だった群響定期の様子。うらやましいです。
 またの機会を期待しています。
by バルビ (2016-05-22 10:06) 

Forte

インフルエンザですか(>_<)
まずは、お大事にしてくださいm(__)m
群響、集客も含めて、絶好調ですね。昨晩も満席に見えました。
井上さん、さすがでした。音楽的でありつつ、かなりの怪演でもありました。そのバランスが、彼の才能と努力の賜物なんでしょうね。
バイオリンの佐藤さんは、日本人離れした、奇才、逸材ですね。かなりの個性でした。僕には、クレーメルに聴こえました。
by Forte (2016-05-22 10:47) 

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